銀蠅ぎんばえ)” の例文
いぎりす旦那マスターの御政治をこころの底からめたたえて、この区域から立ち昇るWARNという感謝の声々が一つ一つ、忠実な銀蠅ぎんばえに化けて
ヤトラカン・サミ博士の椅子 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
磯五という銀蠅ぎんばえ黄金虫こがねむしのような男がくっついてきて、それと争わなければならないようなことになるなら何もほしくない。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
だから、しじゅう濡れている敷石から馬尿のにおいが鼻をついて、大きな銀蠅ぎんばえが歓声をあげて恋を営んでいた。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
銀蠅ぎんばえの飛びまわる四じょう部屋へやは風も通らず、ジーンと音がするように蒸し暑かった。種吉が氷いちごを提箱さげばこに入れて持ち帰り、皆は黙々もくもくとそれをすすった。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
釣師は足どりも軽く、イヨンヌ河の岸を歩きながら、糸の先の銀蠅ぎんばえを水面にぴょいぴょい躍らせている。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
「そうだ。貴様は、汚物おぶつのうえにたかる銀蠅ぎんばえを、知っておるか」
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)