釈教しゃっきょう)” の例文
旧字:釋教
無季の句のうちに神祇じんぎ釈教しゃっきょう、恋、無常、疾病、羈旅きりょ等があって、人間生活を縦横に謡うが、それを点綴てんていして季の句が過半数を占めておる。
俳句への道 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
長、短、長短、合計三十六本の線が春夏秋冬神祇じんぎ釈教しゃっきょうこい無常むじょうを座標とする多次元空間に、一つの曲折線を描き出す。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
物名や大歌所御歌などは後ではなくなったり、神祇じんぎ釈教しゃっきょうの部が立てられたりしたが、四季・恋・雑の三大部は『古今集』この方、勅撰集の根幹となった。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
また全体が理屈めきたる歌あり(釈教しゃっきょうの歌の類)これらはかえって言いようにて多少の趣味を添うべけれど
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
式亭三馬しきていさんばが何年か前に出版した滑稽本こっけいぼんの中で、「神祇しんぎ釈教しゃっきょうこい無常むじょう、みないりごみの浮世風呂うきよぶろ
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
じゃによってその方も、釈教しゃっきょうと恋との相違こそあれ、所詮は予と同心にきわまったぞ。
邪宗門 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)