追立おった)” の例文
前後には、追立おったての武士、役人などが、ものものしく、護り固め、——ひとりの下司は、板に書いた罪文を、手に掲げて、先を、歩き出した。
あ、あ、根雪の上を、その雪よりも白い素足で、草履ばきで、追立おったて使いに、使いあるき。それで、なよなよとして、しかも上品でありました。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
追立おったてられまして、蟠龍軒、お瀧の両人は目算がらりと外れ、這々ほう/\ていで其の儘逃帰りました。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さあ、其処そこへ、となると、早や背後うしろから追立おったてられるように、そわそわするのを、なりたけ自分で落着いて、悠々ゆうゆう歩行あるき出したが、取って三十という年紀としの、かれの胸の騒ぎよう。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、また追立おったてて、立掛ける、とまたしても、(待ちおれ。)だ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひとりでめて、もじつく女房を台所へ追立おったてながら
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
更に港へ追立おったてた……
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)