“迂濶千万”の読み方と例文
読み方割合
うかつせんばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女を脅迫している男と、三千子の死体を切断して罪深い悪戯あくぎをやった男とが、全く同一人物であることを、今まで気づかなんだのは、むしろ迂濶千万うかつせんばんであった。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
迂濶千万うかつせんばん、今までのことにまぎれて、それを忘れていたが、あの名取川べの蛇籠作じゃかごづくりの時に、あの男が、房州に残し置ける拙者の財産を、危急の場合にかき集めて
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こういう独断的な先達者にひきまわされることは、求めて破滅の道に駈けだしている迂濶千万うかつせんばんなことであった。自分のためではない——と、彼は内心ではげしく叫んだ。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)