“迂廻”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うかい74.3%
うくわい11.4%
まわ5.7%
まわりみち5.7%
うねり2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこには平安がある。足は大地を踏むからである。あの個人道に見られる焦慮と執着とは、危険に充ちた迷路を迂廻うかいするからではないであろうか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
お葉は十分にしぶりながらも、かなりの好奇心を燃やしてゐるらしく、八五郎に引かれて庭を迂廻うくわいして、離屋の前に立つてゐるのです。
胡頽子ぐみの灌木が行手を遮り、それを彼が迂廻まわった時、巣籠っていた山鳩が、光に驚いて眼を覚ました。そうして長い間啼き止まなかった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
帰途かえりには電車で迂廻まわりみちして肴町さかなちょうの川鉄に寄って鳥をたぺたりして加藤の家へ土産みやげなど持って二人俥を連ねて戻って来た。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
どうかこうかここまでぎつけて来た、長い年月としつきの苦労を思うと、迂廻うねりくねった小径こみちをいろいろに歩いて、広い大道へ出て来たようで、昨日きのうまでのことが、夢のように思われた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)