貼板はりいた)” の例文
しかし——そうは答えても、決して心は平静であり得なかった証拠には、もう乾きぬいて、風にもがれかけている貼板はりいたの物を——さすがに彼女も二晩ほど仕舞い忘れていた。
思い出もいまは古い、小紋こもんの小切れやら、更紗さらさ襤褸つづれや、赤い縮緬ちりめんの片袖など、貼板はりいたの面には、彼女の丹精が、細々こまごまつづられて、それはるそばから、春の陽に乾きかけていた。