諏訪湖すわこ)” の例文
そしてとうとう信濃しなの諏訪湖すわこのそばで追いつめて、いきなり、一ひねりにひねり殺そうとしますと、建御名方神たけみなかたのかみはぶるぶるふるえながら
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
また終わりに諏訪湖すわこの神渡りの音響の事を引き、孕のジャンは「何か微妙な地の震動に関したことではあるまいか」
怪異考 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
諏訪湖すわこにまたは天竜川に、二人の兄弟は十四年間血にまみれながら闘ったが、その間しがらみと久田姫とは荒廃あれた古城で天主教を信じわびしい月日を送っていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
信州路へ入って、鯉の料理にお目にかからない日はないぞ——といいながら、周馬がわんをチュッとすすって、うむ、こいつはいい、諏訪湖すわこの味がするぞという。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そんなことを遠い夢のように考えて、諏訪湖すわこの先まで乗って行くうちに、汽車の中で日が暮れた。
ある女の生涯 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
信州諏訪湖すわこの附近の例は、目下もっか中川・塩田の二君が調査しておられるが、是も手順はまったく同じで、ただ最後の末子ばっしが家に留まり、そのまま住宅を相続した点がちがうのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
仁藤昂軒は後者の道を選んだのであるが、諏訪湖すわこへかかるまえに骨の髄からうんざりし、飽きはててしまった。——名の知れない高山が遠く左にも右にも見え、まわりはいちめんの稲田であった。
ひとごろし (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
田中阿歌麿たなかあかまろ氏著、「諏訪湖すわこの研究」上編七一六ページにこれに関する記事と、写真がある。数年前の「ローマ字世界」にも田丸たまる先生が、この池のものについておかきになったのが出ている。
(新字新仮名) / 寺田寅彦(著)