解釈かいしゃく)” の例文
旧字:解釋
しかし、恭一におりおり解釈かいしゃくしてもらったりしているうちに、詩や歌のこころというものが、いつとはなしに彼の感情にしみ入って来た。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
細君のったあとで、主人は、おもしろいということのない花前がおこったというのはおかしいなと考えたけれど、その理由りゆう解釈かいしゃくがつかなかった。
(新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
それでさ、あの万沢まんざわとかいう男が小山すみれ嬢をそそのかして、仔猫利用の吊上つりあげ装置を作らせたんだと解釈かいしゃくする
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし時計はどうしたのか、八時十五分になりかかっていた。彼はこの時刻の相違を時計の罪だと解釈かいしゃくした。「きょうは乗り遅れる心配はない。」——そんなことも勿論思ったりした。
寒さ (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
今後は富貴ふうきの義務、労働の権利をば、法律以上に研究解釈かいしゃくして、前に言ったようにこれらのことを精神化するにあらざれば、現世界の安寧あんねいもまた真の進歩も望むべからざるものと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
これで赤ん坊と私とのあいだに現実げんじつ生活のつながりが一つ生じたわけである。そうきめてから改めて漢和大辞典を引くと、「俵」の項目には、「ワカチアタエル」という解釈かいしゃくがついている。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
それをひとは、気候きこう関係かんけいで、また神経衰弱しんけいすいじゃくにかかったからではなかろうかというような解釈かいしゃくをしたひとがありましたが、実際じっさいにおいて、づくひとづかないひととの相違そういがあるということに
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ことばとしては、隆夫はそれを解釈かいしゃくする知識がなかったけれど、幸いというか、隆夫は今たましいの状態にいるので、彼ら異国人の話すことばの意味だけは分った。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その解釈かいしゃくを申しますと、避雷針は雷を引き寄せるのですが、避雷針の高さの三倍までの距離以内のものは、避雷針へ吸い取ることが出来る。しかしそれ以上のものまでかない。
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)