おおわ)” の例文
陰※いんえいたる空におおわれたる万象ばんしょうはことごとくうれいを含みて、海辺の砂山にいちじるき一点のくれないは、早くも掲げられたる暴風警戒けいかい球標きゅうひょうなり。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
特に真理がおおわれて、なかなか世間が認めぬような場合は、解明は有益な一役を演じる。プラトンの編に「アポロギア」というのがあるが、法廷でなしたソクラテスの弁明を記録したものである。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)