かば)” の例文
と据えて出し、腰をかがめたおうなを見よ。一筋ごとに美しくくしの歯を入れたように、毛筋がとおって、生際はえぎわの揃った、柔かな、茶にややかばを帯びた髪の色。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
コトコトとはしを鳴らし、短夜みじかよの明けた広縁には、ぞろぞろおびただしい、かば色の黒いのと、松虫鈴虫のようなのが、うようよして、ざっと障子へ駆上かけあがって消えましたが、西瓜のたねったんですって。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)