“衣笠山”の読み方と例文
読み方割合
きぬがさやま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
葬儀は、衣笠山きぬがさやまの等持院でいとなまれた。勅使の差遣さけん、五山の僧列、兵仗へいじょう堵列とれつ、すべて、儀式の供華くげや香煙のさかんだったことはいうまでもない。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
男6 さあ、何でも衣笠山きぬがさやまあたりへ行って三日間ほど山籠りをするのだと云ってましたが、……
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
雨は煙のようで、遠くもない八幡はちまんの森や衣笠山きぬがさやまもぼんやりにじんだ墨絵の中に、薄く萌黄もえぎをぼかした稲田には、草取る人の簑笠みのかさが黄色い点を打っている。ゆるい調子の、眠そうな草取り歌が聞こえる。
竜舌蘭 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)