行啓ぎょうけい)” の例文
東宮も同時に行啓ぎょうけいになるはずであったがたいそうになることを思召おぼしめして別の日に院のお見舞いをあそばされた。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ところが、ちょうど摂政宮殿下の行啓ぎょうけい差合さしあいになるので、急に模様換えになって、そのまま北へ北へと直航することとなった。その十二日は全く薄らさみしい日であった。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
後冷泉ごれいぜい天皇の御勅筆ごちょくひつがくを今も平等院びょうどういんの隣の寺で拝見することができるが、その頃の男の漢文の日記などに東宮時代の同帝がしばしば宇治の頼通よりみちの山荘へ行啓ぎょうけいになったことが書かれてある。
ホールに居合わせた二人の警官に命じて置いて「残念だが、僕は行啓ぎょうけいの御警衛のことで、急用があるんだ。総監室で詳しく話して置いてくれ給え。間に合ったら、僕も話を聞きに帰って来るから」
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)