“薮畳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
やぶだたみ50.0%
やぶだた50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
薮畳やぶだたみを控えた広い平地にある紙漉場の葭簀よしずに、温かい日がさして、かぞを浸すために盈々なみなみたたえられた水が生暖なまあたたかくぬるんでいた。そこらには桜がもう咲きかけていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
鬱蒼うっそうとした其処ここの杉柏さんぱくの梢からは、烟霧えんむのような翠嵐すいらんが起って、細い雨が明い日光にすかられた。思いもかけない山麓さんろくの傾斜面にせた田畑があったり、厚い薮畳やぶだたみの蔭に、人家があったりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
はてな、そういえば、朝また、ようをたした時は、ここへ白い手が、と思う真中のは、壁が抜けて、不状ぶざまに壊れて、向うが薮畳やぶだたみになっていたのを思出す。
古狢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)