カク)” の例文
旧字:
忌憚なく言へば、彼こそ憎むべき蛸である、人間の仮面を被り、内にあらゆる悪計をカクすところの蛸は即ち彼に外ならぬのである。
風博士 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「古人子貢しこうの言葉にもある——ココニ美玉アリ、ヒツニオサメテカクセリ、善価ヨキアタイヲ求メテランカナ——と」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
恐らくは太い怒りを胸にカクして憎々しげに素知らぬ顔を作るところのかかる敵意の沈黙であつた。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
家室カシツサカシマニカカリ。門戸衆多シュウタ。精ヲカクシ、毒ヲヤシナイ、秋ヲ得テスナワチ化ス。コレ蜂ノ巣ナリ。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)