“草摺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くさずり90.0%
くさず10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、左の手は、ぶらんと落ちて、草摺くさずりたたれたような襤褸ぼろの袖の中に、肩から、ぐなりとそげている。これにこそ、わけがあろう。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その男は、渋色の粽頭巾ちまきずきんをかぶって、汚い布直垂ぬのひたたれを職人結びに後ろでむすび、片膝たてて革胴かわどう草摺くさずりを大きな動作で縫っていた。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かわ草摺くさずり、旗差物はたさしものまく裁縫さいほう鎧下着よろいしたぎ、あるいはこまかいつづれにしき、そのほか武人ぶじん衣裳いしょうにつく物や、陣具じんぐるいをつくるものばかりがみ、そして
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが一方の鍬形が、真ん中どころから折れていた。鎧もまさしく着けていた。しかし草摺くさずりは千切れていた。よろい直垂ひたたれも着ているが、あちこちを鼠に喰われていた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)