“茂承”の読み方と例文
読み方割合
もちつぐ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
万延元年紀州藩に仕へた時は、樵山は四十歳であつた。紀州藩は猶中納言茂承もちつぐの世であつた。元治元年に将軍家茂に謁した時は、樵山は四十四歳であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
この尾州公はなかなか長防征討を引き受けない。再征反対の御隠居に対してもそれの引き受けられるはずもなかったのだ。そこでおはちは紀州公(徳川茂承もちつぐ)の方に回った。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
浅草どぶだな長遠寺ちょうえんじ御影供日おめいくびなので、紀州侯徳川茂承もちつぐの愛妾、お中﨟ちゅうろう大井おおいは、例年どおり御後室ごこうしつの代参をすませると、総黒漆そうくろうるしの乗物をつらねて猿若町さるわかまちの市村座へまわり