“花顔”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんばせ60.0%
かがん40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と、言い払い、ホホとその白い花顔かんばせが闇を占めて笑っているかのよう。……宋江以下、修羅しゅらという修羅の場かずをふんできた梁山泊の男どもも、思わず馬列をすくみ立てて
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、叫びかけて、おもわずはしたない驚きの目をしばらく彼女の花顔かんばせから離しえなかったものだった。それほど彼女の眉目みめは若き日のかの草心尼に似て美しくまばゆくもあった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぱッとくちからも鼻腔はなからも血を噴いて、花顔かがんむなしく、虚空をつかむようにのけ反ッてクルと仰向あおに仆れてしまったのであった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三歳のネロをひしと抱きしめ、助かった、ドミチウスや、私たちは助かったのだよ、とうめくがごとくささやき、涙と接吻でネロの花顔かがんをめちゃめちゃにした。
古典風 (新字新仮名) / 太宰治(著)