花聟はなむこ)” の例文
「え? 僕は、その、何も、いや、困ります。僕は、ただ、花聟はなむこの役を演じてみたいと思っているだけなのです。」
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
甘露寺では、国主の花聟はなむことして、一山の僧衆が数十人の大将と迎えに立ち、呉侯孫権をはじめ、母公、喬国老など、本堂から方丈に満ち満ちて待ちうけていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『してみると、花聟はなむこの贈物じゃないんだ』とラズーミヒンは考えて、なぜかしらうれしくなった。
新婚者と、女角力ずもうになったタルタン、彼女のために殺されてしまった花聟はなむこ、歓楽の夜の海を水自転車で彼にあたえた、妖婦タルタンの愚かな行動、水底深く死んだ花聟のダンデズム、影は水に映る。
飛行機から墜ちるまで (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
他のどんな花聟はなむこが彼のやうな樣子——こんなに目的を急いで、こんなに恐ろしいやうに決然としてゐることがあらうか、また、誰が、あんなきつとなつた眉の下に、あんな燃えるやうなひらめく眼を
「さあ、さあ、花聟はなむこさま。ちょうど、結婚の時刻でござります」
「ま! どうしたの、だんなもこのも、まるで花聟はなむこ花嫁さんだよ。いいえ、この頃の新郎新婦はもっとひらけていますとさ! さあ、これへおはしでもつけて」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
花聟はなむこの贈物だな』とラズーミヒンは考えた。
花聟はなむこは、床の間の松竹梅を後ろにして、固くなっていた。ふだんの庄次郎とは、別人のように見える。張子の虎みたいに重そうな首をして、耳たぶが、充血している。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「花嫁は一丈青の扈三娘こさんじょうです。そして花聟はなむこは」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)