膚合はだあい)” の例文
さあ、お目通りで、着物を引掉ひっぷるって神田児かんだッこ膚合はだあいを見せてやらあ、汝が口説くおんなじゃねえから、見たって目のつぶれる憂慮きづけえはねえ、安心して切立きったてふんどしを拝みゃあがれ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
南町はちと君には遠廻りの処を、是非廻って貰いたいと云うもんだから、家内うちで口を利いてくようになったんだから、ここがちと言い憎いのだが、今云った、それ、膚合はだあいの合わない処だ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
衣服きもの縞柄しまがらまことにしなやかに、よくその膚合はだあいかなったという工合で。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昼間見た時、医師せんせいの説明をよくは心にも留めて聞かなかったが、海鼠なまこのような、またその岩のふやけたような、いや膚合はだあい、ぷつりと切った胞衣えなのあとの大きないぼに似たのさえ、今見るごとく目に残る
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)