腹筋はらすじ)” の例文
騎士ナイトが悟って、おかしがって、笑う事笑う事、上身をほとんど旋廻して、よろい腹筋はらすじる処へ、以前のが、銚子を持参。で、入れかわるように駆出した。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「アハハハ弥々いよいよ腹筋はらすじだ。それから」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
よそおいを凝らした貴婦人令嬢の顔へ、ヌッと突出し、べたり、ぐしゃッ、どろり、と塗る……と話す頃は、円髷が腹筋はらすじを横によるやら、娘が拝むようにのめって俯向うつむいて笑うやら。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仕方を見せて見物を泣かせる目算つもりのあてはずれ、発奮はずみで活歴を遣って退け、手痍てきず少々負うたれば、破傷風にならぬようにと、太鼓大の膏薬こうやくを飯粒にて糊附はりつけしが、歩行あるくたびに腹筋はらすじよれて、びっこき曳き
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)