腰車こしぐるま)” の例文
日頃の鍛錬たんれん薙刀なぎなたにこめて、そこへよろけてきた弦之丞の影を見るや否や、月山流がっさんりゅうの型どおりにその腰車こしぐるまを手強く払った。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左腕を斬って放たれ乍らも右手めて一つで咄嗟とっさに抜き払ったその一刀が、ぐさりと千之介の腰車こしぐるまに喰い入った。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
腰車こしぐるまをつかれて横ざまに、ドウと、もんどり打って倒れている。そして芋虫いもむしのようにころがったまま、ふたたび起きあがろうともしないようす。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれの姿が躍るやいな、待ちかまえていたつかの手はさやを離れて、横に走ったそぼろ助広、ザッと、万吉の腰車こしぐるまを斬った。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)