脾臓ひぞう)” の例文
「これが脾臓ひぞうで、これが肝臓だ。こいつが馬鹿に重いんだよ。これが胃で、この中にダイヤモンドがあるはずだ」
稀有の犯罪 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
心臓から出ずる気、と称し、脾臓ひぞうから出ずる気、と称し、腎臓から出ずる気、すいと称し、肝臓から出ずる気、きょと称し、肺臓から出ずる気、と称す。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大息ついたまま茫然ぼうぜんとしていたが、はっとわれに返るや短刀を抜き、虎の脾臓ひぞうしん、肺のあたりに幾太刀となく、とどめを刺した。鮮血は腕を濡らし、袖はのまだらに染まった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三度青年が振り返った時、老人は腎臓じんぞうを掌に載せ、銀の盆を待っていた。四度青年が振り返って見ると、最後の脾臓ひぞうを捧げながら、やはり銀盆を待っていた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)