脊髄せきずゐ)” の例文
旧字:脊髓
みちの二丁もかついで来ると、雪を欺く霜の朝でも、汗が満身に流れる。鼻息は暴風あらしの如く、心臓は早鐘をたゝく様に、脊髄せきずゐから後頭部にかけ強直症きやうちよくしやうにでもかゝつた様に一種異様の熱気がさす。
水汲み (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
それから一両日も経つた夕方、吊台つりだいが玄関前につけられて、そして病院にかつぎこまれて、手術をして、丁度八日目に死んだのである。腸の閉鎖と、悪性の梅毒に脊髄せきずゐをもをかされてゐたのであつた。
哀しき父 (新字旧仮名) / 葛西善蔵(著)