緑礬りょくばん)” の例文
叢林そうりんは大地を肉体として、そこから迸出ほうしゅつする鮮血である。くれない極まって緑礬りょくばんの輝きをひらめかしている。物の表は永劫えいごうの真昼に白みわたり、物陰は常闇世界とこやみせかい烏羽玉うばたまいろをちりばめている。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)