紙鳶だこ)” の例文
私は竹と半紙で『するめ紙鳶だこ』を手造りにすることを覺えました。それを村はづれの岡の上へ持つて行つて、他の子供と競爭で揚げました。
植木いじりも好き、義太夫と接木が巧者で、或時は白井樣の子供衆のために大奉八枚張の大紙鳶だここしらへた事もあつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
風はなかなか吹き止まないで、寺内の大きいけやきの梢をひゅうひゅうと揺すって通ると、その高い枝にかかっている破れ紙鳶だこが怪しい音を立ててがさがさと鳴った。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)