米沢町よねざわちょう)” の例文
仁科の右どなりにいるのは、交易所洋銀両替承ドルりょうがえうけたまわり和泉屋五左衛門いずみやござえもん。その隣が、洋書翻刻の米沢町よねざわちょう日進堂にっしんどう
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
やがて京都にある友人景蔵からのめずらしい便たよりが、両国米沢町よねざわちょう十一屋あてで、半蔵のもとに届くようになった。あの年上の友人が安否のほども気づかわれていた時だ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
三人は押し黙って両国橋を渡って米沢町よねざわちょうのほうへ行って、それから新地しんちへ曲がった。そこのごたごたした横町をはいったところに、こいこくで有名な川半かわはんという料理屋があった。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「だって、姉さんには米沢町よねざわちょうの古着屋の二番息子が付いているんだろう」
半七捕物帳:19 お照の父 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
披露目も福井楼界隈かいわい米沢町よねざわちょうから浜町、中洲なかずが七分で、残り三分が源冶店げんやだな界隈の浪花町なにわちょう、花屋敷に新屋敷などで、大観音おおかんのんの裏通りの元大阪町では、百尺ひゃくせきのほかにやっと二三軒あるくらいだった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
米沢町よねざわちょうから薬研堀やげんぼりへと、先なる両人は肩を並べて歩いてゆく。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)