べツつひ)” の例文
あゝ私が覺えて七つの年の冬でござんした、寒中親子三人ながら古裕衣ふるゆかたで、父は寒いも知らぬか柱に寄つて細工物に工夫をこらすに、母は欠けた一つべツつひれ鍋かけて私に去る物を買ひに行けといふ
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)