空巣狙あきすねら)” の例文
丸半日、氣のきかない空巣狙あきすねらひのやうな事をしてゐた平次も、その日の晝頃には、到頭シビレをきらしてしまひました。
どだい考えが間違っていらあ、よく天草へいってくれ、空巣狙あきすねらいはやめろってな! 住居を突き止めてどうする気だ? うん、おおかたこうだろう。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ベラン氏は、僕を扉の外に残して、彼自身はまるで空巣狙あきすねらいのように、そっと部屋の中に忍びこんだ。
宇宙尖兵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お見うけ申すところ、どなたかは知らぬが、ご風采もいやしからぬ様子。まさか、空巣狙あきすねらいではござるまい。何で拙者の屋敷へ、無断でお踏みこみなさるか、仔細しさいがござろう、それを
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにもうそろ/\初子の亭主が勤務先から帰つて来るであらうし、晩飯の支度で勝手口の方が忙しくなるであらうから、さういつ迄も空巣狙あきすねらひみたいにうろ/\してゐる訳にも行かない。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
洗つてゐました、——そして二人が外へ出てゐるうちに、お勝手から空巣狙あきすねらひに入られて、隣の六疊に置いた着物をられたと、ひどく叱られました
それにもうそろ/\初子の亭主が勤務先から帰つて来るであらうし、晩飯の支度で勝手口の方が忙しくなるであらうから、さういつ迄も空巣狙あきすねらひみたいにうろ/\してゐる訳にも行かない。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
待ちなよ、縛るのはわけもないが、縛つたのを解くのがむづかしい、——あの晩、この邊へ空巣狙あきすねらひが入つたといふことだ。町内だけで五、六軒は荒らされてゐる。
それにもうそろそろ初子の亭主が勤務先から帰って来るであろうし、晩飯の支度で勝手口の方が忙しくなるであろうから、そういつ迄も空巣狙あきすねらいみたいにうろうろしている訳にも行かない。
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「狐の嫁入見物で、どの家も空っぽになったところへ、空巣狙あきすねらいが入ったんで」
それは大丈夫だ、此邊は貧乏人ばかりだから空巣狙あきすねらひやコソ泥は目を