かじ)” の例文
『阿波志』にタフの原料としてかじの皮を用いたというカヂも、今のヒメカウゾか、そうでなくともこの属の一種であったろうと思う。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
元正げんしょう天皇、養老七年夏五月芳野離宮に行幸あった時、従駕の笠金村かさのかなむらが作った長歌の反歌である。「白木綿」はたえかじ(穀桑楮)の皮から作った白布、その白木綿しらゆうの如くに水の流れ落つる状態である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
阿波の三好みよし美馬みま海部かいふ等の諸郡では、山村いたる処にタフを生産する。是はかじの木の皮または葛や藤の皮を織った麁布あらぬのであると、『阿波志あわし』という書には記している。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)