しげ)” の例文
外へ出ると、人の往来ゆききは漸くしげくなり、チョイトチョイトの呼声も反響するように、路地の四方から聞えて来る。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
四十五年の御代みよ長く、事しげき代の御安息みやす無く、六十路むそぢあまり一年ひととせ御顔みかおに寄する年の波、御魂みたましたふ西の京、吾事終へつとうそむきて、君きましぬ東京に。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)