神風楼しんぷうろう)” の例文
孤児みなしごになって、茶屋奉公に売られたり、博奕打ばくちうちの女房になってみたり、神風楼しんぷうろう花魁おいらんにまで身を落しても、これだけは肌身に着けていたんです。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せつが神奈川の神風楼しんぷうろうについて実地に調べてみたところによると、その跡かたはくうをつかむ如し、あれは何かためにするところのある奴がこしらえた小説でげす。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
深いことは知りませんけれど、こちらのおくさんの方は元、神風楼しんぷうろう花魁おいらんをしていたのを、旦那様が身うけして、ここへ囲ったのだと伺いました。
旗岡巡査 (新字新仮名) / 吉川英治(著)