石蕗花つわぶき)” の例文
菊の花しおるるまがきには石蕗花つわぶき咲き出で落葉らくようの梢に百舌鳥もずの声早や珍しからず。裏庭ののほとりに栗みのりて落ち縁先えんさきには南天なんてんの実、石燈籠いしどうろうのかげには梅疑うめもどき色づきめぬ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
庭の隅に咲いた石蕗花つわぶききいろい花に赤蜻蛉とんぼがとまっていた。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)