相應ふさ)” の例文
新字:相応
これはな願ひを聞くものかな、おそかれ早かれ、いづれ持たねばならぬ妻なれば、相應ふさはしき縁もあらばと、老父われも疾くより心懸け居りしぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ダイアナは私に獨逸語を教へようと云つてくれた。私も彼女から教はるのは好きだつた。女教師の役目やくめは彼女を喜ばせもしまた相應ふさはしかつた。
内證話のために用意されたやうな小部屋で、同じ四疊半でも、茶よりは酒に相應ふさはしい造りは、主人の人柄も忍ばれて、妙にくすぐつたいものがあります。
たしかにまたその若い軍人はロマンティックな少女を擒にする勇士に相應ふさはしかつた。
城主じやうしゆ執心しゆうしんもの相應ふさはず
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
八千石の旗本の用人といへば、小大名の家老にも匹敵ひつてきするでせう。相澤半之丞の權力は大したもの、その住居も、お長屋といふ名に相應ふさはしからぬ堂々たるものです。