盤臺ばんだい)” の例文
新字:盤台
鰹賣が盤臺ばんだいの肩をかへながら、時鳥が鳴いた空をちよいと見上げるところがあるが、東京の空を、ほととぎすが啼いてすぎる夜があるといふと、てんから嘘だとあきれ顏をする人に
初かつお (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
もつともいま神樂坂上かぐらざかうへ割烹かつぱう魚徳うをとく)の先代せんだいが(威張ゐばり)とばれて、「おう、うめえものはねえか」と、よつぱらつてるから盤臺ばんだい何處どこかへわすれて、天秤棒てんびんぼうばかりをりまはして歩行あるいたころで。……
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)