登庸とうよう)” の例文
「こちらは、木下藤吉郎どのというて、この度、御台所御用人から、お厩衆うまやしゅうへご登庸とうようになったお方だ。お見知りおきを願っておくがよい」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忠誠鯁直かうちやく之者は固陋ころうなりとして擯斥ひんせきせられ、平四郎の如き朝廷を誣罔ぶまうする大奸賊登庸とうようせられ、類を以て集り、政体を頽壊たいくわいし、外夷いよ/\跋扈ばつこせり。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
人材を登庸とうようしなければだめだということを教えたのも、またその刺激だ。従来親子共に役にいているものがあれば、子は賢くても父にえることはできなかったのがふるい規則だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
州の太守も彼を認めて、将来は大いに登庸とうようしようとも思っていた。