田植たうえ)” の例文
このシッキム人の事については少し面白い話がありますから後に致す事として、この道筋で面白く感じた事は、その雨の降って居る中で田植たうえをして居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
この家にて或る年田植たうえ人手ひとでらず、明日あすそらあやしきに、わずかばかりの田を植え残すことかなどつぶやきてありしに、ふと何方いずちよりともなくたけひく小僧こぞう一人来たりて
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
近頃ちかごろはそれで名が通ってしまいましたが、もともと避暑地なんですから。今頃は花が一時に咲き乱れて何とも云えない良い季節ですよ。それなのに都会の人はまだ来ないし、土地の者は田植たうえで忙しい。だから静かに勉強するには申し分ありませんね」
浴槽 (新字新仮名) / 大坪砂男(著)