甘蔗かんしょ)” の例文
そのあたりは砂糖の産地で、浜辺から裏山にかけ、いちめんの甘蔗かんしょ畑であった。春の初めに植えつけた甘蔗苗が、夏になると六、七尺にも伸びる。
甘い野辺 (新字新仮名) / 浜本浩(著)
父のかかりつけの医者は、その地方で名医と言われている人であったが、その処方は、はなはだ奇怪なもので、あしの根だの、三年霜に打たれた甘蔗かんしょだのを必要とした。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
それには互に甘蔗かんしょを栽培して、どっちが甘いのが出来るか、それによって勝負を決しようと約束した。
愚かな男の話 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
その味は甘蔗かんしょからとったものにはおとるが、料理に使うには十分である。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)