瓦器がき)” の例文
ある日の午後、尼提はいつものように諸家しょけの糞尿を大きい瓦器がきの中に集め、そのまた瓦器を背に負ったまま、いろいろの店ののきを並べた、狭苦しい路を歩いていた。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「そのゆび繊長せんちょうにして、爪は赤銅しゃくどうのごとく、たなごころ蓮華れんげに似たる」手を挙げて「恐れるな」と言う意味を示したのである。が、尼提はいよいよ驚き、とうとう瓦器がきをとり落した。
尼提 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)