瓢箪鯰ひょうたんなまず)” の例文
「まあ、瓢箪鯰ひょうたんなまずねえ、橋寺さんは。———一日も早く新しい家庭をお持ちになった方が、先の奥さんだって本当は草葉の蔭でお喜びになるのよ」
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
現実に、彼女の成功は、英雄ならばけっして持ってはならぬすべての性質——言い抜け上手、瓢箪鯰ひょうたんなまず、不決断、狐疑、吝嗇などのおかげなのである。
お父さんは僕のことを横着おうちゃくものだといってけなしても、自分もこの通り瓢箪鯰ひょうたんなまずである。都合の悪いことは努めて聞き流そうとする。腹がへっていなくても、これが癖だ。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
捏造ねつぞう記事か与太よた記事かを見分けるためには、猫の眼玉みたいに変化する世界列強のペテンのかけ合いから、インチキとヨタでゴッタ返す政局の裏表、瓢箪鯰ひょうたんなまずの財界の趨勢
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
槍持奴やりもちやっこ」とか、「鬼に三味線」とか、「提灯釣鐘ちょうちんつりがね」とか、「瓢箪鯰ひょうたんなまず」とか、「女虚無僧おんなこむそう」とか、「若衆」とか、「竹に虎」とか、「わし」とか、「たか」とか、その数は多い。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
瓢箪鯰ひょうたんなまずとは政治屋のことですよ。」と今もF君は吐き棄てるように罵った。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
追ひ詰められるまでは瓢箪鯰ひょうたんなまずに受け流してゐて、土壇場へ来るとヒヨイと寝返る。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「あんなのを瓢箪鯰ひょうたんなまずっていうんだよ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
追ひ詰められるまでは瓢箪鯰ひょうたんなまずに受け流してゐて、土壇場どたんばへ来るとヒヨイと寝返る。
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
追い詰められるまでは瓢箪鯰ひょうたんなまずに受け流していて、土壇場どたんばへ来るとヒョイと寝返る。
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)