“濕々”のいろいろな読み方と例文
新字:湿々
読み方割合
じめ/\60.0%
じめじめ20.0%
じめ/″\20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
界隈かいわい景色けしきがそんなに沈鬱ちんうつで、濕々じめ/\としてるにしたがうて、ものもまた高聲たかごゑではものをいはない。歩行あるくにも内端うちわで、俯向うつむがちで、豆腐屋とうふやも、八百屋やほやだまつてとほる。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
晝間も日光がとママかないので、いつも濕々じめじめしてゐる溝ぎわの方から、晩方の家々の炊事の煙が靄とも霧とも分らない一種の茫とした調子で
蒼白き巣窟 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
つい今しがた降り出した雨だけれども、土も木も人の着物も一樣に濕々じめ/″\した濡れた匂ひを含んで、冷めたい空氣の底にひそかに響きを打つてゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)