“潺々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんせん81.3%
せん/\18.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ふと耳に、潺々せんせん、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。
走れメロス (新字新仮名) / 太宰治(著)
其処にはただ三四尺の小さな流がもとのままに潺々せんせんたるせせらぎの音を立てているだけなのに自分勝手な思いをせていた。
朴の咲く頃 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
洋燈ランプめづらしいが、座敷ざしきもまだ塗立ぬりたての生壁なまかべで、たかし、高縁たかゑんまへは、すぐにかしつき大木たいぼく大樹たいじゆ鬱然うつぜんとして、めぐつて、山清水やましみづ潺々せん/\おとしづかながれる。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
谷々から滴り落ちる水が、或は潺々せん/\とした小さい瀬を成し、或は人に知られない無名の瀑布を懸け、時には激し時には淀んで、段々世間に流れ落ちて行く形が面白い。
日光 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)