漕手こぐて)” の例文
女は僕等の舟を送つて三四町も來たが、徳二郎に叱られて漕手こぐてを止めた、其中に二艘の小舟はだん/\遠ざかつた。舟の別れんとする時、女は僕に向て何時までも
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
舟は暫時しばらく大船小船六七さうの間を縫ふて進んで居たが間もなく廣々とした沖合に出た。月は益々冴えて秋の夜かと思はれるばかり、女は漕手こぐてとゞめて僕の傍に坐つた。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)