湯殿山ゆどのさん)” の例文
馬は良し乗人のりては上手でぽん/\乗切のっきってやがて小原山の中央なかほどへ参りますと、湯殿山ゆどのさん深彫ふかぼりのした供養塔が有ります、大先達だいせんだつ喜樂院きらくいんの建てました物で
その昔大師が湯殿山ゆどのさんを開きに来られた時に、のどが乾いてこの村のある百姓の家にはいって、水を飲ませてくれと申されますと、女房がひどい女で、米のぎ汁を出しました。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
寺を語れば、行人坂ぎょうにんざかの大円寺をも語らなければならない。行人坂は下目黒にあって、寛永かんえいの頃、ここに湯殿山ゆどのさん行人派の寺が開かれた為に、坂の名を行人と呼ぶことになったという。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
広益俗説弁こうえきぞくせつべん』巻十三には、海尊かいそん高館の落城に先だって山にのがれ、仙人となって富士・浅間・湯殿山ゆどのさんなどに時々出現するとあるが、羽前最上もがみ古口ふるくち村の外川とかわ神社の近くにも
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)