“淹留”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えんりゅう57.1%
えんりう42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最も奇とすべきは溝部で、或日偶然来て泊り込み、それなりに淹留えんりゅうした。夏日かじつあわせに袷羽織ばおりてんとして恥じず、また苦熱のたいをも見せない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
既に十有余日山中なる塩湖と云へる市府に淹留えんりゅう、空しく曠日こうじついま華盛頓ワシントン府に達するあたはず……現今英米両国の間に起りたる“アラバマ”一条すこぶる困難の事情に至り
黒田清隆の方針 (新字新仮名) / 服部之総(著)
柏軒は癸亥の歳に将軍家茂に扈随して京都に往き、淹留えんりう中病に罹り、七月七日に自ら不起を知つて遺書を作つた。其文はかうである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
翁は杜国を訪ふために、今でさへ交通の不便な、この畠村にやつて来て、そしてそこにかなりに長い淹留えんりうをしたらしかつた。
伊良湖岬 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)