混雑とりこみ)” の例文
旧字:混雜
引越以来の混雑とりこみにまぎれて、解物ほどきものも、洗濯物も皆なおくれて了ったと言って、家内は縁側の外へ張物板を持出したが、狭いひさの下に日蔭というものが無かった。
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
長い混雑とりこみの後に起るくたびれが急に出てきて、物をいうさえもおっくうだった。
(新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
焼香も済み、読経も一きりに成つた頃、銀之助は丑松の紹介ひきあはせで、始めて未亡人に言葉を交した。長野新聞の通信記者なぞも混雑とりこみの中へ尋ねて来て、聞き取つたことを手帳に書留める。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)