たは)” の例文
我は心よりおそれ、妻は心よりたはる。我父母の為に泣き、妻はわが父母ちちははそしる。行道ぎやうだう念々ねんねん、我高きにのぼらむと欲すれども妻は蒼穹さうきうの遥かなるを知らず。我深く涙垂るれども妻は地上の悲しみを知らず。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たはれ心の紅眞珠べにしんじゆ——キスのおと
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
見よかのしきたはれめの
〔せなうち痛み息熱く〕 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
たはれた風も肩先を
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
きりぎりすよきたはがひとり寝て氷食む日となりにけるかな
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
たはれ歌うたひつくして泣くなめり忘れ難かりあきらめられず
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
長雨ながさめの蒼くさみしくたはれてしその日かの日もいまは恋しき
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かくてまた蹈み入りがたき雑艸のもとたはれしあるものは
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひとみ青きフランス酒場さかばたは湯浴ゆあみのさまを思ひやり
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ちかき野にのどめらるるたはのゆるき痙攣けいれん
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しどろなるまひれつあかあかとたはれくるめき
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ちからなき活字くわつじひろひのたはうた
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それか、怪しきたは
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
瘡病くさつつみ、掻きたはると
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
瘡病くさつつみ、掻きたはると
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)