油揚坂あぶらげざか)” の例文
寺院は随一の華主とくいなる豆府とうふ屋の担夫かつぎ一人、夕巡回ゆうまわりにまた例の商売あきないをなさんとて、四ツ谷油揚坂あぶらげざかなる宗福寺にきたりけるが、数十輛の馬車、腕車わんしゃ梶棒かじぼうを連ね輪をならべて、肥馬いななき、道を擁し、馭者ぎょしゃ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)