河床かわどこ)” の例文
金剛石こんごうせきや草のつゆやあらゆる立派りっぱさをあつめたような、きらびやかな銀河ぎんが河床かわどこの上を、水は声もなくかたちもなくながれ、そのながれのまん中に
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
考えてみると、河床かわどこは、河心かしんへ向って、だんだんに深くなっているので、雨ふり揚句あげく水嵩みずかさが増した時などには、其の方へだんだん移動してゆくのが自然だった。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浅い河床かわどこの真中を、少しばかり流れている水が、ぼんやり見える橋杭はしぐいの下で黒く消えて行く時、かすかに音を立てて、電車の通る相間あいま相間に、ちょろちょろと鳴った。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
車輪のごときおおきさの、紅白段々だんだらの夏の蝶、河床かわどこは草にかくれて、清水のあとの土に輝く、山際に翼を廻すは、白の脚絆きゃはん草鞋穿わらじばき、かすりの単衣ひとえのまくり手に、その看板の洋傘こうもり
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金剛石こんごうせきや草のつゆやあらゆる立派さをあつめたような、きらびやかな銀河の河床かわどこの上を水は声もなくかたちもなく流れ、その流れのまん中に、ぼうっと青白く後光のした一つの島が見えるのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)