気病きや)” の例文
旧字:氣病
さなきだにふだんからかよわいからだの女房は苦労の重荷にしつぶされて、その明くる年の春に気病きやみのようなふうでもろく死んでしまった。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それかられがたゝりはしないか/\といふ気病きやみで、いまいふ神経病しんけいびやうとかなんとかふのだらうが、二代目はそれを気病きやみにしてつひちがつた。
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
お鉄はその後一種の気病きやみのように床について、ことしの三月にとうとう死んだ。磯貝から受取った二百円の金は、妻の長煩ながわずらいにみな遣ってしまって、六兵衛の身には殆ど一文も付かなかった。
慈悲心鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)