毫釐がうり)” の例文
われおもふに總ての學問は人を益するを待ちてわづかに成立つとも定めがたかるべし。談理まことに毫釐がうりの益を文壇に與ふることなからむか。われ未だすなはちこれを斥けむとせざるべし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
これは言葉の穿鑿せんさくだけすれば、凡人たらざる半面と共に凡人たる半面をも指摘するのと毫釐がうりの相違に過ぎないかも知れない。が、事実は千里の山河を隔絶したにもひとしい相違である。
大久保湖州 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)